能登半島地震が教えてくれたこと #1

令和6年能登半島地震であらためてわかった「課題は繰り返す」ということ

2024年1月1日、石川県能登地方で震度7の大地震が発生しました。津波や地震火災、孤立集落、停電、断水、極寒の冬の避難所生活やトイレ問題など、過去にいくつもの大きな地震を経験して備えていたはずの私たちに「課題は繰り返す」ということを教えてくれました。1人1人が自分を守らなければ周りの誰も助けることができない。「自助なくして共助・公助なし」ということを思い知らされたのです。この地震が、もし東京で起きていたら。考えるとゾッとします。

都市部では明らかに避難所が足りない

能登半島の石川県輪島市の人口が22,515人。指定避難所は48か所ありましたが、そのうち半分以上の26か所の避難所には備蓄施設はなく、食料や飲料水、簡易トイレなど避難生活に必要な物資がなかったといいます。人口減も考慮し1800人と想定していた避難者は輪島市だけで10,000人を超え、避難所に入りきれなかった、あるいは避難所まで行けなかった人の自主避難所の数は100以上にものぼりました。もし、これが東京だったら?例えば東京都世田谷区の人口は約92万人、避難所の数は95か所しかありません。地震や水害などの大きな災害が発生すると、都市部では明らかに希望する人全員が避難所には入りきれません。

さあ、今すぐ「在宅避難」と「日常備蓄」の準備を始めましょう

もしも自宅の倒壊や浸水等の危険がなければ、必ずしも避難所に行く必要はありません。自宅に留まったほうがいい場合も十分に考えられます。慣れた自宅で過ごせるほうが発災時のストレスも軽くなるでしょう。災害時に避難所ではなく自宅で生活を送ることを『在宅避難』といいます。日ごろから食料品や生活用品等の備えがあれば、いざというときにも安心です。次号からは、能登半島地震の被災者が一番困ったことや、何を日常備蓄すればいいのかをお伝えしていきます。


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